がんに伴うからだの症状やこころのつらさに対して、その苦痛を和らげ、その人自身が大切にしていることを選ぶ自由と希望する過ごし方を尊重し、治療・ケアを行います。
また、患者さん・ご家族が希望される療養場所で過ごせるようお手伝いします。

当院緩和ケア病棟の基本方針

• がんを治すための治療や延命を目的とした治療を行うのではなく、体のつらい症状やこころのつらさに対して治療とケアを提供します。
• 患者さんの意思・価値観を尊重し、各分野の専門家と協力しながら最もよいと思われる治療を提供します。
• 患者さんのライフスタイルに応じた生活の援助とQOL維持・向上を目指した療養環境を提供します。
• 地域の医療機関と連携し、入退院支援を行います。
• 患者さんを支えているご家族・知人の方の気がかりについて支援します。

緩和ケア病棟で行う治療

症状を和らげるために必要な検査（採血やレントゲン検査など負担の少ない検査）や、薬剤の調整、点滴、酸素療法、神経ブロックを行います。
また、腹水や胸水を抜く治療、痛みや出血を抑えるための放射線治療、最小限の輸血などは病状に応じて行います。
※以下の医療行為は行いません。
・がんを治すための手術、抗がん剤、放射線治療。
・延命のための心臓マッサージ、気管挿管、人工呼吸器装着、透析導入。

対象となるかた

• がんの診断後、がん根治目的の治療を終了されたかた、または治療を希望されないかた。
• ご本人、またはご家族が病名・病状について理解され、がんを治すための治療や延命処置をしないことに同意されているかたが望ましいです。
  ご本人に意思決定能力があるにもかかわらず病名が告知されていない場合、入棟後ご本人が病状説明を希望されたときには適切な説明がなされることを、ご家族が了承されていることが必要です。

※上記条件を満たしていても、すでに人工呼吸器を装着しているかたは入棟することができません。また、昼夜問わず大声を出したり病棟内を歩き回るなど、他の患者さんの療養の妨げになると思われるかたもお断りする場合があります。

面会について

11時から17時までですが、患者さんの状態や患者さん・ご家族の希望に応じて随時対応しております。また、感染症流行状況により面会制限を行うこともあります。緩和ケア病棟申込時にご確認ください。

病棟案内

11階西病棟になります。
15床のうち、2床が無料個室、6床が無料二人部屋、7床が有料個室です。
ご家族が患者様とゆったり過ごせるよう、季節が感じられるデイコーナー、キッチン、家族控え室があります。
詳しくはパンフレットをご覧になり、面談時にご確認ください。

入院までのながれ

面談申込（要予約）⇒面談⇒入棟判定会議⇒入院日決定　となります。
患者さんやご家族からの直接の申込はお受けしておりません。主治医を通してお申し込みください。

1．面談申込

当院かかりつけのかた

主治医や看護師にお話ください。面談日決定後、緩和ケア外来を受診していただきます。

他医療機関かかりつけのかた

緩和ケア病棟入院申込のみお受けします。
地域医療連携室を通して下記書類をＦＡＸで送り、面談の予約をお取りください。

・紹介状 （直近の血液一般検査のデータと直近のＣＴの所見も添付してください）

＊緩和ケア質問票（ご家族用）は面談当日お持ちいただいても構いません。

２．面談

緩和ケア外来にて面談します。当院かかりつけ以外の患者さまで、ご本人が受診できない場合は、ご家族のみの面談も可能です。その場合、面談費用をご負担いただきます。
ご家族面談料：３，３００円（税込み）

3．入棟判定会議

当院スタッフによる入棟判定会議を行います。
※当院の体制上、やむを得ずお断りする場合があります。

4．入院日決定

入棟可となりましたら地域医療連携室より入院日をお知らせします。
※症状緩和優先度の高いかたから順に入院していただいております（申込順ではないことをご了承ください）。
当院入院日までの外来診療および緊急入院は、かかりつけの医療機関で対応していただくようお願いいたします。クリニックの先生におかれましては紹介元の医療機関へご連絡願います。