輸血検査

輸血検査部門は血液型検査や輸血用血液製剤の保管・管理、自己血の調製・保管などを行う部門です。輸血する血液が患者さんに適合するかどうかを調べる交差適合試験を行っており、緊急輸血にも24時間体制で対応が可能です。
輸血療法管理委員会を年6回行い、輸血副作用報告や院内輸血監査など安全で適正な輸血に取り組んでおり、日本輸血細胞治療学会I&Aを取得しています。

日本人におけるA:B:O:ABの血液型のおよその頻度は4:2:3:1です。血液型、不規則抗体、交差適合試験は自動輸血検査装置で行います。不規則抗体とは、ABO血液型以外の血液型抗原に対する抗体です。この抗体が陽性の患者さんには不規則抗体保有カードをお渡しし、他の医療機関で輸血する場合にも適合する血液を準備することができます。

輸血検査の流れ

1.輸血前検査

血液型検査(1回目)

ABO血液型・RhD血液型の検査を自動輸血検査機器で検査します。
結果は輸血部門システムで管理されています。

2.不規則抗体スクリーニング

溶血性輸血副作用を防止するために、臨床的意義のある抗体を検出する目的で検査します。

3.輸血時検査

血液型検査(2回目)

1回目とは異なる採血時期の検体を用いて血液型検査を行います。
血液型は2回検査することで確定となります。

交差試験

受血者と供血者の間でのABO適合性を確認し、不規則抗体による不適合がないかの確認のための検査です。

4.製剤出庫

臨床検査技師と看護師とで出庫ラベル・出庫伝票・輸血用血液の声出し確認を行います。
輸血過誤防止のために確認は怠りません。

外来輸血を受けたかたへ

輸血により、まれに副作用が起きる可能性があります。
外来輸血を受けられた患者さんには副作用に関する資料をお渡ししておりますので、症状が出現した場合は速やかに病院へ連絡してください。

自己血とは?

輸血療法には血液センターで献血された血液製剤を使用する「同種血輸血」と、患者さんご自身の血液をあらかじめ貯血して使用する「自己血輸血」があります。対象となるのは待機的な手術の場合や稀な血液型や不規則抗体陽性の患者さんです。「同種血輸血」では肝炎ウイルス・HIVなどの感染症や他者の血液に対するアレルギー反応などの輸血副作用を完全に回避することはできませんが、「自己血輸血」では前述した副作用を回避できる安全な輸血療法です。
但し、採血時に気分不快感・吐き気・冷や汗などの症状がでる可能性があります。

【注意事項】自己血採血をされる患者さんへ

イラスト:献血中のひと

採血前日は、激しい運動・過度の飲酒をさけ、十分な睡眠をとりましょう。採血当日は、食事をきちんととってから採血にいらしてください。体調がすぐれない場合はお申し出ください。採血後、帰宅途中で気分の悪くなった場合には、横になって頭を低くして安静にしてください。激しい運動・労働は避け入浴はシャワー程度にしてください。
飲酒はやめ、食事・水分は十分にとってください。

チラシ:鉄分を多く含む食品

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