放射線科のご案内

放射線科の業務 ・放射線科の構成 

X線一般撮影(レントゲン撮影) ・骨密度検査 ・歯科撮影(パノラマ/CT/セファロ・デンタルX線撮影)

マンモグラフィ検査 ・X線テレビ検査 ・CT検査 ・MRI検査 ・核医学検査

放射線治療

主な取得専門/認定資格一覧表 ・業務件数(2022年度 10月より稼働開始)

当科は、放射線科専門医、診療放射線技師、看護師がチームを組んで、放射線を使用した検査や治療を行っています。放射線は正しく利用しないと人体に害を及ぼす危険性があるため、必要最小限の被ばくで医療情報を提供できるよう取り組んでおります。
様々な診療科の検査や治療に携わるほか、医師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師等、多くの職種と連携し、良質な医療の提供を目指しております。

当科は、放射線科専門医3名(放射線診断専門医2名・放射線治療専門医1名)、診療放射線技師17名、看護師3名、助手4名、事務員1名で日々の業務を行っております。当科の保有している装置は、3.0T_MRI装置1台、Dual Source CT(2×128スライス)装置1台、Multi slice CT(64列)装置1台、一般撮影装置3台、ポータブル撮影装置3台、乳房撮影装置1台、パノラマ・デンタル歯科撮影装置1台、骨密度測定装置1台、X線TV装置2台、外科用Cアーム型デジタル透視システム3台、血管撮影装置1台、心臓カテーテル装置1台、核医学装置1台、放射線治療装置1台、また3D画像解析ワークステーションは6台保有しています。

↓ ↓ 放射線科で行っている主な検査を紹介します。↓ ↓

X線一般撮影は、放射線科の検査の中で最も多く行われる撮影です。なじみのある言い方として「レントゲン検査」と言われる検査です。X線という放射線を照射することによって胸部・腹部・骨などの撮影を行います。胸部撮影では肺や縦隔の病変、腹部撮影では腹部・骨盤部臓器の病変、骨撮影では関節の状態や骨折の有無などを調べることができます。X線を照射すると肺や腸の中のガスなどX線を透しやすいものは黒く、臓器や骨などX線を透しにくいものは白く写ります。

検査の流れ

一般撮影は他の検査に比べ撮影時間が短く、救急時など全体像をすばやく知る必要がある時にも非常に有用な検査です。撮影を行う部位によっては、検査着への着替えや、装飾品等(湿布等の貼付薬、ネックレス・時計等の貴金属類)を取り外して頂く場合があります。また画像のブレを無くすため必要に応じて息止めを行う検査もあります。

X線一般撮影の特徴

レントゲン写真といえば一昔前まではフィルムが主流でしたが当院ではすべての装置をデジタル方式(DR:デジタルラジオグラフィー)とし、院内すべての電子カルテから画像を見ることができます。この方式では画像の管理・保管・閲覧などを簡便に行うことが出来るようになり、画像出力の時短化も可能となりました。さらに従来のフィルム方式に比べ感度・画質が向上し、少ない放射線量で撮影を行うことが可能となりました。当院に導入されているFPD(フラットパネルディテクター)というDR装置は持ち運びも可能で、お体の不自由な患者様のためのポータブル撮影(病室撮影)にも適応しています。また、当院では関節に負荷をかけて行うストレス撮影や長尺撮影、トモシンセシス撮影など様々な撮影に対応しています。

診断用X線装置:島津メディカル社製
RAD speed Pro (EDGE package)
長尺撮影用 FPD
移動型X線装置:SIEMENS社製
MOBILETT XP Hybrid
胸部レントゲン写真
腹部レントゲン写真
手部レントゲン写真
膝関節ストレス撮影

骨密度検査とは

骨密度検査は骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるのかを測定する検査です。検査をすることで、骨の強さを数値で見ることができ骨粗鬆症になるリスクを推測できます。骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症になると、つまずいて手をついたり、くしゃみをしたりというわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。原因としては女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏、加齢、運動不足などです。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、特に閉経後の女性に多くみられます。高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

検査の特徴

当院での骨密度測定は、腰椎・股関節・の2箇所で検査が可能です。これらの測定箇所は骨粗鬆症の好発部位です。当院では二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法:Dual Energy X-ray Absorptiometry)という、2種類の異なるX線で骨と軟部組織の吸収差を用いる方法で骨密度を測定しています。DEXA法は現在骨密度測定の標準とされており、精度が高く、用いるX線量も少ないことが特徴です。

検査方法

検査の事前準備は不要で、測定部位に金属やプラスチック、貼付薬等の障害になるものがないようにし(必要な場合は検査着に着替えて頂きます)、測定は検査台に仰向けに寝て行います。 検査時間は10分以内です。

検査結果

結果は若い人の平均値を100%としたときに、自分の骨の量が何%かで示されます。骨密度が若い人の80%未満になると要注意、70%以下になると骨粗鬆症と診断されます。骨折はそれ自体が生命を脅かす病気というわけではありませんが、背骨の骨折によって背中が丸くなることで呼吸器系や消化器系に症状が出たり、股関節の骨折によって寝たきりになってしまい認知症が進行したりと様々な影響を及ぼします。骨の健康状態を知り、生活を改善することで骨粗鬆症の予防になります。

骨密度測定装置:Hologic社製 Discovery

パノラマ撮影とは

1枚で口腔内全体の写真を撮影することが可能であり、歯の状態や骨の中の異常また下歯槽神経の確認など歯の病気(根管治療、歯内療法)を一度に診ることができます。

デンタル撮影とは

最も一般的かつ頻繁に用いられる撮影で、パノラマ撮影が口腔内全体の撮影に対してデンタル撮影は一部だけを正確かつ精細に評価することができます。

検査を受けられる方へ

当科の歯科撮影装置は通常のパノラマ撮影に加えCT撮影とセファロ撮影を1台で可能にしたX線診断装置です。それぞれ診断目的に応じた撮影を行います。撮影は基本的に立位で行いますが、車イスでも撮影は可能です。撮影時は頭や口を動かさないようにお願いいたします。また入れ歯やネックレスおよびピアスなど撮影の妨げになるものは外していただきますのでご了承ください。

歯科撮影装置:MORITA社製
Veraview_X800
口外汎用歯科X線診断装置:MORITA社製
Max iX Type2
パノラマ画像
デンタル画像

マンモグラフィとは

マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影のことです。触診で発見できないような小さなしこりや、しこりになる前の石灰化した微細な乳がんの発見に有用であり、乳がんの早期発見に欠かすことのできない検査です。マンモグラフィは、乳房全体をうつしだすため左右比較しながら、画像を見ることができます。また、過去の画像と比較することが簡単なため、検診でよく用いられます。過去画像と比較することにより、わずかな変化に気づくことができます。

検査の方法

マンモグラフィは、更衣から撮影、確認まで含めて通常10分程度で終わります。片方の乳房につき左右方向または上下方向から撮影を行います。撮影時には、乳房を圧迫板と呼ばれるプラスチックの板で圧迫し、薄く伸ばして固定します。痛みを伴いますが、乳房の奥にあるしこりをはっきりと写しだすこと、乳房内の乳腺や血管などの重なりを無くして小さな病変を見つけやすくすること、放射線の被ばくを最小限にするなどのメリットがあり、圧迫することはとても重要です。

トモシンセシス機能(3D撮影)

当院の乳房用X線診断装置は、トモシンセシス(3D)撮影機能を搭載しており、多方向からX線を照射することで通常画像では観察の難しい乳腺組織が重なっている部分でも病変が見つけやすくなります。

乳房撮影装置:FUJIFILM社製
AMULET Innovality
左がマンモグラフィ画像、右がトモシンセシス画像
トモシンセシス画像では病変部がより詳細に観察可能

マンモトーム生検(ステレオガイド下吸引式組織生検)

乳がんが疑われる石灰化病変に対してマンモグラフィを撮影しながら専用の針を用いて組織を採取する検査です。
異なる方向のマンモグラフィを撮影することで病変の位置を特定し、局所麻酔下で針を穿刺し、針先の開口部から組織を吸引して採取します。得られた組織の病理診断を行い、良性か悪性かを調べます。
当院ではベッドに横向きに寝た姿勢か座った姿勢で検査を行います。検査時間は30分程度です。

マンモトーム生検で採取された石灰化病変
写真:マンモトーム生検のイメージ
マンモトーム生検のイメージ

マンモグラフィ検査を受ける時の注意点

ペースメーカーを装着されている方、豊胸手術をされている方、V-Pシャントを施行されている方は、圧迫の時に破損する危険性がありますので、主治医または担当放射線技師にその旨を必ずお知らせ下さい。また、妊娠中または妊娠の可能性がある方も検査を受ける前に事前にお知らせください。

被ばくについて

マンモグラフィはX線検査ですので、放射線による被ばくがありますが、乳房だけの部分的なものであり、被ばくによるデメリットよりも検査を受けるメリットの方が大きいと言えます。

夕暮れ乳がん検診

当院ではお仕事などで日中の受付時間内に来院できない方のために、毎月2回、第1・3水曜日の午後5時から夕暮れ乳がん検診を行っています。お仕事帰りに、ぜひご利用ください。
当院はマンモグラフィ検診施設画像認定施設に認定され、検診マンモグラフィ撮影認定資格を有する女性診療放射線技師による撮影をおこなっております。撮影に関して気になることがあれば遠慮なくおたずねください。

お問合せ先

事務局医事課:018-823-4171  夕暮れ乳がん検診

X線テレビ検査とは

X線テレビ検査はX線透視検査または透視検査などと言われます。X線を利用してX線画像を見ながら手技を行う検査です。透視とは静止画を連続で撮影し、パラパラ漫画のように見せています。撮影枚数は多いですが、X線写真を撮影するより少ない線量で撮影しています。体内の様子を動画で観察することによって円滑に検査・治療を行うことができます。
当院にある2台の透視装置はデジタル化されており、被ばく線量の低減化や、多種の画像処理、リアルタイムでの画像表示、連続撮影が可能でより質の高い画像情報を提供しています。

X線透視下で行う検査および治療

  • 食道胃十二指腸造影検査
    造影剤(バリウム)を飲み、食道・胃・十二指腸へ造影剤を流し、様々な方向から撮影します。はじめに造影剤を飲み込んだタイミングに合わせて食道の撮影をします。その後、胃や十二指腸に流れた造影剤を体位変換することで胃壁にまんべんなく塗り、撮影をします。当院では検診も行っております。
  • 大腸造影
    直腸から造影剤や空気を注入し、様々な方向から撮影をして大腸や小腸を観察する検査です。
  • ERBD(内視鏡的逆行性胆道ドレナージ)
    内視鏡を使用し、十二指腸乳頭からカテーテルを総胆管に挿入します。そこから造影剤を注入し胆管・膵管などを観察します。総胆管結石があった際は除去したり、病変などで管が狭くなっている部分にステントを留置したりする治療を行います。
  • 気管支内視鏡
    気管に内視鏡を挿入し、肺の細胞を採取して検査します。
  • 整復
    骨折、脱臼した部分を透視画面で確認しながら整復します。
X線透視装置:FUJIFILM社製
CUREVISTA Open
食道胃十二指腸造影検査
大腸造影検査
逆行性胆管ドレナージ
バルーンによる胆管結石採石術
気管支内視鏡

その他

  • 神経根ブロック
  • 脊髄腔造影検査
  • 膀胱造影
  • 子宮卵管造影
  • 尿管ステント挿入

などの様々な検査、治療を行っています。

CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)検査とは

X線を利用し人体を透過したX線の量をデータとして集め、コンピュータで処理することによって、人体の断面画像を得る検査です。当院でも短時間で広範囲を撮影することや立体的な画像(3D画像)を容易に作成することができるようになりました。

CT装置:SIEMENS社製
SOMATOM_Drive

CT検査の流れ

一般に造影剤を使用しない検査(単純検査)では、一度の撮影で任意の断面での観察や3D画像を得ることができます。さらに造影剤を使用する検査(造影検査)により、血管や各臓器の血液の流れを調べることができ、より多くの情報を得ることができます。1回の撮影時間は検査内容で異なりますが、単純検査で5~10分、造影検査で10~20分程度です。

被ばくについて

他の放射線検査に比べると被ばく線量は高い部類に入りますが、検査を依頼する医師は診療上その検査が必要かどうか(正当化)の判断をし、診療放射線技師は必要最小限の放射線量で質の高い画像を提供すること(最適化)を常に実行しています。基本的に健康被害をもたらす被ばく線量ではありませんが、不安なことや、わからないことがありましたら、遠慮なくスタッフにご相談ください。

MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査とは

磁力と電磁波の力によって、人体のあらゆる部分の断面像を撮ることができる画像診断装置です。放射線を使用せずに磁気による検査ですので被ばくはありません。頭から足先まで全身の検査ができ、非常に精度の高い検査を行うことが可能です。当院では3.0TMRIを導入しました。以前より短時間で高画質な撮影を行うことが可能となり今まで以上に診断精度の向上や患者さんの状況に合わせた撮影も可能となっております。

3.0TMRI装置:SIEMENS社製
MAGNETOM_Vida
脳MRI
乳房MRI
心臓MRI
足関節MRI

MRI検査の流れ

検査を受けられる患者さんは、トンネル型の装置の中に寝ていただくだけで痛みなどは伴いません。しかし胸部や腹部の検査では十数秒間の息止めを繰り返し行ったり、必要に応じて造影剤という薬品を静脈注射することもあります。検査時間は検査内容によって異なりますが、一般的には約30分程度、長いもので1時間程です。検査中は身体を動かさずにリラックスしてベッドに仰向けに寝ていただきます。

MRI検査の注意点

検査を受けられる患者さんは、磁場の中での検査ですので金属類は取り外し、検査衣に着替えていただきます。また、体の中に金属や機器がある方や妊娠の可能性がある方は検査ができない場合もありますのでその際はスタッフにお知らせください。

核医学検査(RI検査、シンチグラフィ検査)とは

核医学検査はRI検査やシンチグラフィ検査とも呼ばれ、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性医薬品を使って、体内から放出される放射線(ガンマ線)をガンマカメラで画像化することで体内の様子を調べる検査です。CT検査やMRI検査は、主に臓器の形態の異常を調べるのに対し、核医学検査は、投与された放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝状態などを評価することができます。当院では新たに全国でもまだ数台しか稼働していない最先端のSPECT/CT装置が導入されました。SPECT(ガンマカメラ)とCTの一体化した装置により、2種の画像が一連の検査で撮影できるようになりました。核医学画像とCT画像が位置ずれなく重ね合わせて表示することができますので、核医学の機能・代謝画像とCTの解剖学的位置・形態情報を一括して観察できるようになります。CTを利用することで従来のガンマカメラ単体装置よりも正確な薬剤(RI)分布を表すことが出来ます。脳血流、心筋、骨、腫瘍などの核医学検査において病変部位を正確に描出することで診断精度の向上が期待されます。

SPECT/CT装置:SIEMENS社製 SYMBIA Pro.specta
患者を移動させずに一連でSPECTとCTの2種の検査を撮影できる。

核医学検査の流れ

放射性医薬品を患者さんに投与し、投与直後または数分から数時間時間を空けてからガンマカメラのベッドで撮影します。撮像時間は検査によって異なりますが、15分から1時間ぐらいです。息止めの必要はなく、横になっているだけの簡単な検査です。

被ばくについて

核医学検査1回あたりの被ばく量は、0.5~20mSv程度です。これはX線検査やCT検査でうける被ばく線量と同程度と考えられます。また、核医学検査で用いられる放射性医薬品には、半減期の短い放射性同位元素が使用されています。投与された放射性医薬品は、物理的減衰や排泄などにより、短い時間で体内から消失します。安心して検査をお受け下さい。

血管造影装置:SIEMENS社製
Artis zee ceiling PURE
心臓カテーテル装置:SIEMENS社製
Artis zee iTA

血管造影検査とは

血管造影検査とは、手や足の血管からカテーテル(細い管)を体内に入れ、通常X線では見ることのできない血管に造影剤を注入して画像化する検査です。
X線を照射する機械の部分がアルファベットのCの字の形をしており、これを回転させることで様々な角度から撮影が可能となっています。
当院では血管造影検査を行う部屋が2室あり、心臓血管を中心とした心臓カテーテル検査と不整脈治療を目的としたアブレーション治療、腹部を中心とした腹部血管造影治療や透析シャント拡張術を行っております。

心臓カテーテル検査とは

心臓に血液を供給する血管(冠動脈)にカテーテルを入れて、心臓の働きや冠動脈の状態を調べる検査です。血管の状態によっては狭くなった部位を広げたり、詰まった部位を開通させたりといった治療を行います。
心臓内腔の圧力や酸素飽和度の測定をしたり、心臓の血液を送り出す能力を調べるための左室造影検査を行うこともあります。また心臓以外にも胸部や腹部の大動脈、下肢の血管の撮影も行うことがあります。
当院では急性心筋梗塞に対して24時間365日体制で対応しております。

アブレーション治療とは

不整脈の原因となる異常な電気興奮の発生箇所や電気回路を焼灼する根治的治療法です。
焼灼というと痛みの不安があるかもしれませんが、治療に伴う症状はほとんどなく、多少の痛みが出現しても、鎮静・鎮痛剤を使用することにより苦痛なく治療を終えることができます。
焼灼方法として、熱を用いる高周波アブレーションと冷凍させるクライオアブレーションがあります。当院はどちらの方法も行える県内2施設の内のひとつになりました。不整脈の種類や心臓の形態により、適切な治療方法を選択します。
アブレーションには、個々の心臓の解剖を正確に把握することが極めて重要です。術前に心臓の3次元CTを行い、術中の3次元マッピング(CARTOシステム)と組み合わせることにより、放射線被曝量の低減を含めた安全な治療が可能となります。
現在当院では、県内で最も多いアブレーション治療を行っています。今後も他職種の連携により安全で確実な治療を行っていきます。

腹部血管造影検査とIVR(画像下治療)とは

腹部の血管に造影剤を入れて血液の流れをみることで腹部臓器の状態を調べる検査および治療です。当院では原発性肝がんに対して、がんに栄養を送っている動脈までカテーテルを進めて抗がん剤と血管塞栓物質を注入させる「肝動脈化学塞栓療法」と呼ばれる治療が行われています。また血管造影検査装置を患者さんの周囲で回転させることによって、移動することなくCT検査のような画像を得ることも可能です。

透析シャント拡張術とは

シャント血管が狭くなったり詰まったりして血液が十分とれなくなると、透析が出来なくなってしまいます。このときバルーンカテーテルという風船のついたカテーテルを病変部の血管まで挿入し、風船を膨らますことで血管を拡張する治療法です。
また当院は県内で最も多く透析シャント拡張術の治療を行っている施設です。

透視装置には移動が可能な外科用Cアーム型デジタル透視システムという装置もあります。こちらは主に手術室で使用します。手術中にX線を使用することで最小限の切開で済み、侵襲の少ない治療が可能になります。装置を用いた手術には以下のようなものがあります。

  • ステントグラフト内挿術
    大動脈瘤に人工血管を留置する手術です。大動脈瘤とは、体内で最も太い動脈であり大動脈の壁が瘤のように膨らんだ状態のことをいいます。基本的には無症状ですが大きくなると破裂する恐れがあり、破裂すると死に至ることがあるため治療が必要となります。人工血管を留置することで瘤への血流を途絶えさせる治療です。
  • CVポート挿入
  • 尿管ステント挿入
  • 尿管結石破砕術
  • 骨接合術
移動型X線透視装置:SIEMENS社製
Cios Alpha
ステントグラフト透視画像
ステントグラフト挿入後X線写真
骨折部ピンニング

放射線治療とは

放射線治療は、外科手術・化学療法(抗がん剤)と並ぶ、がんの三大治療法の一つです。
当院ではX線を体の外から照射する“外部照射”を行っています。
放射線治療の特徴は、外科手術・化学療法よりも患者さんへの負担が比較的少ないことが挙げられます。
通院での治療が可能であり、臓器の機能や形態変化の心配が少なく、手術に耐えうる体力がない方や副作用のために抗がん剤が使えない方でも治療を受けることができます。また、根治的な治療だけではなく、再発予防や痛みなどの症状緩和にも用いられ様々な病期で適用されます。放射線治療は、細胞のDNAに放射線を作用させることにより、がん細胞を死滅させます。正常な細胞は少量の放射線による損傷が起こっても回復しますが、がん細胞は正常な細胞に比べると回復が遅く、少量の放射線を繰り返し照射することで死滅させることができます。治療中に痛みや熱さなどを感じることはありません。

放射線治療装置:Accuray社製 Radixact X9
骨転移に対する放射線治療①
骨転移に対する放射線治療②

治療の流れ

放射線治療の全体の流れは下記のようになります。


放射線治療医による診察 → 治療計画用CTの撮影(マーキング・固定具作成) → 治療計画の作成 → 治療計画の検証 → 治療開始(CTによる位置合わせ+照射)/診察(週1回) → 治療終了

治療期間は部位や内容により、10回以下のものから1~3カ月に及ぶものまで様々です。一回の治療時間は入室から退室まで20分弱です。平日毎日の照射になりますが、通院での治療が可能ですので、仕事をしながら治療する方も多く、無理なく通って頂けるよう、予約時間の相談も承ります。

治療装置について

2022年10月の新病院の開院にあわせ、新しい放射線治療装置として強度変調放射線治療(IMRT)専用機である「Radixact X9(Accuray社製)」が秋田県で初めて導入されました。
Radixactは、ヘリカルCTと放射線治療のシステムを融合させた装置で、頭尾方向に寝台を動かしながら治療を行います。寝台の移動にあわせて装置内部のマルチリーフコリメーターという部分を高速で開閉して、ビームの強度や形状を自在に変化させることができます。複雑な治療計画に対応した照射を行うことも可能で、病巣周囲の正常組織に対する線量を低下させながら、病巣に対して集中的な治療を行うことができ、副作用の少ない治療が期待できます。
放射線治療を行うときは、治療計画作成時と当日のCTを比べた位置合わせを毎回行い、日々の治療のズレを最小限に抑え、精度の良い治療を提供しています。(画像誘導放射線治療:IGRT)
シンクロニーシステム(動く標的に対して安全に放射線治療を行うため 追尾・検出・補正 を行う技術)を導入し、呼吸同期での治療も今後行う予定です。

(2023年4月1日現在)

認定機構・学会認定資格名称有資格者数
日本医学放射線学会放射線診断専門医2
日本IVR学会IVR専門医3
日本核医学会核医学専門医3
日本核医学会PET核医学認定医3
日本医学放射線学会放射線治療専門医1
日本X線CT認定技師機構X線CT認定技師6
日本肺がんCT検診認定技師機構肺がんCT検診認定技師2
日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構血管撮影・インターベーション専門診療放射線技師1
日本乳がん精度管理機構検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師5
核医学専門技師認定機構核医学専門技師1
放射線治療専門放射線技師認定機構放射線治療専門放射線技師3
放射線治療品質管理機構放射線治療品質管理士3
日本診療放射線技師会放射線機器管理士2
日本診療放射線技師会放射線管理士2
文部科学大臣 原子力安全技術センター第一種放射線取扱主任者1
オートプシーイメージング学会Ai認定診療放射線認定技師1
日本救急撮影認定機構救急撮影認定技師1
厚生労働省(国家資格)第一種作業環境測定士1
日本診療放射線技師会臨床実習指導教員1
日本インターベンション学会
日本心血管インターベンション治療学会
インターベンションエキスパートナース(INE)1

(2023年4月1日現在)

(2022年10月~2023年3月)

業務件数
X線一般撮影31,174件
骨密度測定1,336件
歯科撮影1,533件
マンモグラフィ検査1,758件
X線TV検査1,608件
移動型X線撮影11,428件
CT11,652件
MRI3,305件
核医学検査907件
血管撮影     腹部IVR37件
      心臓カテーテル327件
      アブレーション205件
      透析シャント拡張術 170件
外科用Cアーム型デジタル透視システム 1,507件
放射線治療(実患者数)90件

(2022年10月~2023年3月)

よくアクセスされるページ

ご予約方法・診療日・休診日

当院の外来は新患・再来ともに
完全予約制となっております。

  • ※救急患者を除く
  • 他医療機関からの紹介状をお持ちの場合も、事前予約をお願いします。
予約センター

診療日

月曜日から金曜日(午前8時00分~午前11時30分)

  • ※ 診察は午前9時から開始します(一部8時30分から)。
  • ※ 診療科により、診察日や受付時間が異なる場合があります。詳細は「外来受付時間一覧」をご覧ください。
外来受付時間一覧 外来受診のご案内

休診日

土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~31日、1月1日~3日)

  • ※ 休診日や診療時間外は、救急外来へお越しください。
  • ※ 上記以外の休診日については、「休診のお知らせ」よりご確認ください。
救急外来のご案内 休診のお知らせ

ページトップへ戻る