装着型サイボーグHAL® を用いた神経筋難病治療

装着型サイボーグHAL®

HAL® は筋力を増強させるものではなく、患者さんの自律動作を支援する医療機器です。HAL® は、患者さんの脳から運動神経、筋肉を介し皮膚に出てくる微弱な運動信号を体に付けたいくつかのセンサーで感知、即座に解析して瞬時に患者さんの脳が意図する運動をサポートします。これにより、筋力低下が進行していても傷害筋に負担を強いる事なく脳が意図したものに近い運動を行う事ができ、患者さんは治療による効率的な運動学習が可能となります。HAL®による治療を行う事で、日常生活にて歩行距離が延び、歩行速度が速くなる、などの歩行機能だけでなく、椅子からの立ち上がりが楽になるなど動作全般における機能向上を認める方がおられます。

対象疾患

現在、保険診療での適用が認められているのは、下記の疾患となります。

• 脊髄性筋萎縮症
• 遠位型ミオパチー
• 球脊髄性筋萎縮症
• 封入体筋炎
• 筋萎縮性側索硬化症
• 先天性ミオパチー
• シャルコー・マリー・トゥース病
• 筋ジストロフィー
• ＨＴＬＶ-１関連脊髄症（ＨＡＭ）　
• 痙性対麻痺（遺伝性対麻痺によるもの）

身体条件に関して（目安）

• 身長：155～175cm
• 体重：40～100kg
• 靴のサイズ：23cm、25cm、27cm
• 大腿長、下腿長、腰幅などの身体サイズが合い、本製品を装着可能な方

治療の流れ

(1)　HAL® によるリハビリの適応評価

はじめに外来で脳神経内科医の診察を受け、HAL®装着の可否やリハビリ適応を判定します。
（外来診察の結果によってはHAL®の適応でないと判断される場合があります。）

(2)　HAL® 使用前状態評価とフィッティング

HAL®装着可能で適用可能と判断された場合、使用後の効果を他覚的に評価できるよう、使用前の身体機能評価を行います。そして、実際にHAL®　を装着していただき、患者さんの身体に見合うようHAL® の各パーツを調節いたします。

(3)　HAL® による治療開始

HAL® を装着して起立練習や歩行練習を行います。基本、週3回、1回60分を連続して計9回実施します。実施時間帯は午後となります。

(4)　HAL® 使用後効果判定

HAL® による治療が1クール終了後、改めて身体機能評価を行い、リハビリ効果を他覚的に評価いたします。そして、患者さんに見合った次回以降のリハビリ治療を計画します。

HAL®実施延べ人数

お問い合わせ

使用をご希望の方は脳神経内科医師による診察が必要となり、受診の際には、基本、かかりつけ医の紹介状が必要となります。お問い合わせは、市立秋田総合病院患者サポートセンターまでご連絡ください。
電話番号：018-883-4406

関連する診療科

• 脳神経内科
• リハビリテーション科