一般目標

日常診療で頻繁に遭遇する産婦人科疾患に適切に対応ができるように、入院患者の受け持ちと外来診療によって基本的な臨床能力(態度、技能、知識)を身につける。

産科

行動目標

  1. 妊娠を診断し、週数と予定日の計算ができる。
  2. 尿妊娠反応の陽性開始時期を理解し実施できる。
  3. 正常妊婦の定期検診ができる。
  4. 分娩経過を判断することができる。
  5. 子宮口開大の程度を判断でき、小泉門を触知できる。
  6. 陣痛、胎児心拍の計測ができ、その異常が指摘できる。
  7. 児娩出の介助、児の処置、臍帯・胎盤の処置ができる。
  8. 軟産道の損傷の有無を診断できる。
  9. 産褥期の子宮底の高さが判断でき、悪露の経過を述べることができる。
  10. Apgar指数を評価できる。
  11. 新生児の日常的ケアができる。(保育環境、水分量の計算、栄養管理、体重測定、バイタルサイン、新生児黄疸など)
  12. 産婦人科専門医に適切に紹介できる。

チェックリスト

知識

  1. つわり、胎動の出現時期を述べることができる。
  2. 妊娠中に使用可能な薬剤を述べることができる。
  3. 妊娠中毒症、常位胎盤早期剥離、前置胎盤について判断できる。
  4. 帝王切開の適応を判断できる。

技能

  1. 子宮底長が測定でき、レオポルド触診法で胎児が確認できる。
  2. 超音波断層法によって胎児計測を行い、胎児の評価ができる。
  3. 会陰側切開を行い、その縫合ができる。
  4. インターネットを使用し文献検索ができる。
  5. 症例提示と討論ができる。

詳しい検査をオ−ダ−する能力

  1. 出血・凝固検査
  2. 胃機能検査
  3. 心エコー検査
  4. 腹部超音波検査
  5. 新生児のスクリーニング検査

婦人科

行動目標

  1. 月経前症候群を診断し治療できる。
  2. 膣から異物を除去できる。
  3. 子宮の大きさの判定ができる。
  4. 子宮筋腫が指摘でき、治療方針を述べることができる。
  5. 基礎体温の生理学的意味を理解し、避妊薬を投与し指導できる。
  6. ホルモン補充療法ができる。
  7. 婦人科専門医に適切に紹介できる。

チェックリスト

知識

  1. 不正出血の原因を鑑別できる。
  2. 婦人科的緊急症(子宮外妊娠、卵巣出血、骨盤内炎症性疾患)の診断ポイントを述べることができる。
  3. 更年期障害の診断療法ができる。
  4. 婦人科的悪性腫瘍の治療方針について述べることができる。

技能

  1. 双合診・直腸診ができる。
  2. 膣鏡を用いて子宮頚部が観察でき、子宮頚部、膣細胞診が実施できる。
  3. 経膣超音波断層法検査により骨盤内臓器の情報を得ることができる。
  4. 膣腔穿刺ができる。
  5. ダグラス窩穿刺ができる。
  6. インターネットを使用し文献検索ができる。
  7. 症例提示と討論ができる。

詳しい検査をオーダーする能力

  1. 細胞診、病理組織検査
  2. クラミジアの検査ができる。
  3. 悪性腫瘍のマーカーチェック
  4. 性ホルモン検査
  5. 不妊症の検査
  6. 腹部CT検査、MR検査

週間スケジュール

時刻月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
午前8時30分病棟処置術前検討病棟処置 術前検討 病棟処置 
午前9時外来および病棟回診外来および病棟処置
病棟回診
外来および病棟回診外来および病棟処置
病棟回診
外来および病棟回診
正午昼休み昼休み昼休み昼休み昼休み
午後1時病棟処置手術病棟回診手術病棟処置
午後2時30分病棟処置手術産褥1ヶ月健診
母親学級
手術病棟処置
午後4時病棟処置手術病棟処置手術抄読会

注:救急外来患者、分娩、緊急手術には随時立ち会う。

研修方法

  1. 指導医とともに入院患者の診療にあたる。
  2. 指導医の指導のもとに外来患者の診療に参加する。
  3. カンファレンスで症例呈示を行う。
  4. コメディカルスタッフに担当患者の診断および治療方針について説明する。
  5. 担当した患者に関する文献をインターネットで検索し、科学的に吟味してカンファレンスで紹介して討論する。

指導医

清水大、佐藤亘、軽部 裕子、福田 淳

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