一般目標

日常診療で遭遇する産婦人科疾患に適切に対応ができるように、基礎的及び臨床的能力(知識・技能・態度)を習得し、日本産科婦人科学会専門医を取得することを目標とする。
そのために、産婦人科の患者の特性を理解し暖かい心を持ってその診療にあたる態度を身につける。産婦人科患者を診察し、適切な診断、治療を行うと共に、各疾患の予防的な方策も指示できる臨床能力を身につける。

腫瘍

女性性器に発生する主な良性腫瘍の診断および治療を理解し、性機能・生殖機能温存の観点に立って適切な診察を実施する。また、乳房疾患は性機能との関連で理解し、良性・悪性の鑑別診断を行うために必要な知識・技能を身につける。
女性性器に発生する主な悪性腫瘍ならびにその関連病変の診断と治療に必要な検査を系統的に理解し、婦人科医自身が行うべき検査、特に早期診断法、癌検診法を実施する知識・技能を修得する。また主要な悪性疾患の標準的治療と治療後の管理に必要な知識・技能・態度を身につける。

病理

女性性器の基本的な病理学的所見を理解し、適切な診断・治療方針の決定に供し得るために必要な知識・技能を身につける。

手術

術前・術後の全身管理を適切に行えるようになるため、術前検査と術中・術後のリスクの可能性について理解し、適切な検査と処置を実施するのに必要な知識・技能・態度を身につける。

放射線療法

放射線療法を適切に行えるようになるため、放射線の種類と特性、種々の治療法の種類と特徴ならびに患者管理について理解し、適切に診療を実施するのに必要な知識・技能を身につける。

化学療法

化学療法が適切に行えるようになるために、抗がん剤の種類と特性、種々の治療法の種類と特徴ならびに患者管理について理解し、適切に診療を実施するのに必要な知識・技能を身につける。

不妊症

不妊症一般についての概念を把握したうえで、不妊症についての検査、治療を系統的に実施し、かつ内視鏡を用いた診断・治療、マイクロサージェリーによる卵管形成術、体外受精・胚移植法等の先端医療の原理についても理解し、実施するのに必要な知識・技能・態度を身につける。

産科産期

妊娠・分娩・産褥ならびに周産期において母児の管理が適切に行えるようになるために、母児の生理と病理を理解し、保健指導と適切な診療を実施するのに必要な知識・技能・態度を身につける。

心身症

心身症の成因を理解するとともに、婦人科領域疾患のうち心身症として取り扱われる代表的疾患および不定愁訴について適切な対応を行うのに必要な知識・技能を身につける。

医療と法律

医療と各種の法律・法制度の関わりについて理解し、適切な診療が実施できる知識・態度を身につける。

研修スケジュール

当院は日本産科婦人科学会指定の卒後研修指導施設の認定を受けています。初期研修の2年間も専門医申請に必要な臨床研修期間とみなされます。最短で卒業後3年次からの後期研修3年間により専門医申請に必要な臨床研修期間(卒後研修目標に沿って通算5年以上)を終了することになります。

日本産科婦人科学会専門医制度の申請資格

  1. 我が国の医師免許を有する者
  2. 通算5年以上日本産科婦人科学会の会員である者
  3. 学会指定の卒後研修指導施設で、卒後研修目標に沿って通算5年以上の臨床研修を終了した者

(1)年次スケジュール

年次研修施設期間内容
1年次市立秋田総合病院4月~翌3月初期研修開始、
基本研修科目(内科・外科・PCU)
2年次市立秋田総合病院4月~翌3月(9月以降)必修科目(小児科・産婦人科・精神科・地域保健医療)、選択科目、産婦人科初期研修
3年次市立秋田総合病院4月~翌3月後期研修開始、外来診療・入院診療
4年次市立秋田総合病院4月~翌3月外来診療・入院診療・学会発表・論文執筆
5年次市立秋田総合病院4月~翌3月外来診療・入院診療・学会発表・論文執筆
6年次市立秋田総合病院、秋田大学・他研修施設4月~日本産科婦人科学会専門医取得、専門性育成・研究活動


(2)月間スケジュール

  1. 研修期間を月単位で分け、産科・婦人科それぞれに重点目標を置きながら研修してもらいます。
  2. 産婦人科研修医が病棟ならびに外来診療にあたる際、月毎の重点項目を考慮して配属してもらいます。 


(3)週間スケジュール

時間月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
午前 8時30分症例提示、病棟処置術前検討、病棟処置抄読会、病棟処置術前検討、病棟処置病棟処置
午前9時病棟回診、婦人科外来病棟回診、産科外来病棟回診、入院症例検討病棟回診、婦人科外来病棟回診、
婦人科外来
昼休み
午後 1時30分
生殖内分泌外来、検診生殖内分泌外来、検診生殖内分泌外来、検診手術、母乳外来、検診

分娩・緊急患者・緊急手術には随時立ち会う。
夜間および土曜日・日曜日・祝日の当番(副産泊)を希望を考慮して指導医と供に行う。

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