消化器内科の診療体制は、1人主治医として入院患者さんの治療にあたっています。基本的な消化器内科の一般的な治療内容や手技について体得されるまでは、研修医と指導医で一緒に1人の患者さんを受け持つ形になりますが、ある程度に診察、治療が可能になれば、1人主治医として診療にあたり、指導医はその相談役に当たる形式が目標です。
当病院での研修のメリットとしては、症例件数が多いことがあげられます。内視鏡検査、治療についても幅広い領域で行っております。また、消化管と肝臓と消化器内科の診療に必要な領域の症例数も多いです。
前期臨床研修では、上部消化管内視鏡検査については、一般的なスクリーニング検査が1人で可能となることが第一の目標となります。その次の目標は、下部消化管内視鏡検査の挿入法、内視鏡的胆管膵管造影検査(側視鏡の挿入)を経験することです。
消化器内科医に進路を決めている方は、一般的な内視鏡操作が可能になれば、治療内視鏡の手技の体得が目標となります。そのため、治療内視鏡については、積極的に介助に入り、症例を多く見学していただきます。
後期臨床研修では、その延長にあたりますが、一般的な上部・下部消化管内視鏡検査のスクリーニング検査が1人で可能になったら、治療内視鏡のトレーニングをしていただきます。3年目終了時に、一般的なスクリーニング検査の他、大腸ポリペクトミー、胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も数例経験できることを目標とします。
また、内視鏡検査以外でも、超音波検査、超音波下治療など一般消化器内科医が行うすべての治療が研修の対象になります。すべての検査を体得することは、時間的、機会的に無理と思われますが、当科で行われている(指導が可能な手技)手技について、下記に列挙いたします。(太字は、おそらく経験可能と予想される検査です)
内視鏡手技
上部消化管内視鏡検査(経鼻内視鏡含む)、内視鏡的止血術、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(咽頭・食道・胃ESD)、内視鏡的静脈瘤効果療法(EIS、EVLを含む)、内視鏡的異物除去術、内視鏡的バルーン拡張術、内視鏡的胃瘻造設術、内視鏡的経胃瘻的腸瘻造設術
下部消化管内視鏡検査、大腸ポリペクトミー(EMR含む)、内視鏡的大腸粘膜下層剥離術(大腸ESD)、
内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)、内視鏡的乳頭切開術(EST)、内視鏡的胆管ステント留置術(ERBD)
小腸内視鏡検査(SBE)
内視鏡以外の処置
腹部超音波のスクリーニング検査、経皮的胆管ドレナージ術(PTCD)、肝生検、ラジオ波腫瘍焼灼術(RFA)、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、腹水ドレナージ
症例が多いものについては、見て学ぶ、介助に入って学ぶ、処置を実際にしてみる、といった実践主義の臨床研修の1年間です。知識、技術の状態でその他の処置もどんどんやっていただく予定です。
また、学会活動も積極的に参加していただくことで、知識的なレベルアップもしていただきます。出張費用については、当科にて負担いたします。
当院では、指導医は、内科学会の指導医、肝臓の指導医・専門医、消化管の指導医・専門医、消化器内視鏡の指導医・専門医が複数いるため、細かい指導と症例数の多さが売りです。やる気があれば、たくさんの症例数を経験できますので、やる気ある後期研修医を募集しております。