小児科は、まさに「総合診療科」であり、胎児から成人までの間の疾患のみならず、人間として関わるといった全人的な診療態度を身につけることになります。医療的には、理学所見を取れるのはもちろん、「自分でアセスメントして、診療プランをたてる」態度、症例から学びさらにアップデートのことまで学ぶ態度を身につけることをめざします。当科のモットーは、「病気(病態)に厳しく、こどもに優しく、職場は楽しく!」です。

当院小児科は、病床数は一般22床、新生児6床となっています。対象とする疾患は、一般小児科という性格上広くなっており、むしろ急性疾患として入院する中に悪性腫瘍や膠原病などを鑑別していく能力が要求されます。最近では、心の問題をかかえる親子も増えてきており、対応を学ぶことになります。慢性疾患に対しては院内学級があり、また在宅医療や小児保健を学ぶことになります。同僚医師や他科医師との連携、看護師や保育士、検査技師、薬剤師、栄養士などとの連携を取る態度や技術が育成されます。学会や院内や地域の医師との勉強会などでプレゼンテーションする能力が養われます。
小児科専門医研修施設認定を受けるとともに、秋田大学小児科教室の関連病院としても機能しており、初期研修(2年間)と後期研修をあわせて5年間の研修が可能になっています。

到達目標

小児科は、患者の年齢的特殊性があることを理解し、また家族が患者に対しても診療に対しても大きな役割があるため、

  • 小児の発達を理解する。
  • 小児の特性(薬剤の動態、易けいれん性、感染症など)を知る。
  • 症候から疾患を考える。
  • 疾患への対応を習得する。
  • 予防・健康増進・家族関係・心の発達など広い知識の習得と患者・家族への対応を習得する。
  • 後期研修以降では、より専門性の修得をめざし、また1人でもある程度の診療が可能になるようになる。

日常研修内容

初期研修医は基本的には、病棟で診療をおこなう。一般外来は、指導医、または上級医の指導のもとにおこなう。午後の特殊外来や外来検査をおこなう。後期研修医は初期研修医を指導し、特殊外来をおこなう。

週間スケジュール

時間月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日土曜日
午前11時~病棟、外来病棟、外来病棟、外来病棟、外来病棟、外来病棟
午後成人ポリオ、インフルエンザ、全体回診乳児健診慢性外来、心臓外来、母親学級神経外来、こども相談(心)予防接種、
全体回診

(在宅医療児の往診に参加)

午前8時30分から、小児科新生児室回診、一般入院児のカルテ回診(研修医がプレゼンテーションをおこなう)、産婦人科新生児回診、院内学級児童診察、一般入院児の回診、処置などをおこなう

  • 診療計画をたて、オーダーを出す(指導医、上級医の印をもらう)
  • ケースカンファレンス、病棟全体回診時にプレゼンテーションする
  • 採血、注射(皮下注射、皮内注射、筋肉注射、静脈)、その他の処置をおこなう
  • 各種検査をおこなう(はじめての検査や危険を伴う検査は指導医、上級医と)
  • 診療録を書き、データを整理する(診療録はPOSで。日常的にはSOAPも)
  • 家族への説明をおこなう
  • 後期研修医は、特に午後、専門分野の履修をおこなう
  • 後期研修医は、秋田大学小児科教室や他の医療機関への派遣可能

その他

小児科地方会で演題発表、病診連携の会・小児科勉強会(開業医さんとの会)・病棟勉強会での発表、詳読会…月1回、秋田県小児喘息サマーキャンプ参加、小児糖尿病キャンプ参加、

その他、秋田県小児神経研究会、周産期研究会、膠原病研究会、アレルギー研究会などでの演題発表

  • 各種カンファレンス、院外の講演会、院内勉強会に参加する
  • 時間外なども研修の場合は参加可能
  • 院内英会話教室に参加
  • 院内誌に投稿する
  • 全国学会への参加、BLS・PALS(Pediatric Advanced Life Support)プロバイダー取得(後期研修医はBLS・院内ミニPALSでの講師に)
  • 小児科専門医取得

小児科研修に関して(初期研修・後期研修を含む)

  • 小児科専門医研修施設認定を受けていますので、初期研修の期間も小児科専門医のための研修期間に含まれます。
  • 後期研修に関しては、待遇は常勤嘱託となります。
  • 後期研修中に外部の機関での研修を考慮します。
    (例)秋田大学附属病院、東京女子医科大学附属病院、成育医療センター、その他希望される内容に応対予定
年次研修施設期間内容
一年次市立秋田総合病院4月~翌3月臨床研修医として、内科、外科、麻酔・救急科をローテートするが、小児科も一年次より3ヶ月の研修をおこなう。BLSプロバイダーを修得する。
二年次市立秋田総合病院、秋田市保健所、県赤十字血液センター4月~翌3月(1)一年次に小児科をローテーションできなかった研修医は2年次に3ヶ月研修をおこなう。
(2)2年次の自由選択の際、5ヶ月まで研修の追加が可能。(PALSプロバイダーを修得)
三年次市立秋田総合病院、(他、研修施設)4月~翌3月後期研修が開始。入院は主治医として、治療の立案にあたる。外来、救急外来でも第一診療医となる。指導医は相談にのる形となる。
学会発表、健診、予防接種など。
四年次市立秋田総合病院、(他、研修施設)4月~翌3月小児科内での専門分野を選択して、院内他科での研修や国内への派遣などを考慮していく。初期研修医の指導にあたる。
五年次市立秋田総合病院、(他、研修施設)4月~翌3月専門的な外来業務をおこなう。学会発表をおこなう。初期研修医の指導。後期研修医の指導に参加。母親学級や保健指導に参加。
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