乳腺・内分泌外科

◆ 研修医、医学生の方へ
 当院での外科研修あるいは初期研修を希望される方はぜひお読みください。
 

2010年から当院外科の体制が変わりました。肝胆膵外科の指導医が加わり、多数の肝臓手術、膵臓手術を行っています。2011年には肝切除26例、膵切除30例を行いました。肝切除の術後在院日数は14日、膵切除は膵頭十二指腸切除が8割をしめますが25日程度と短く、手術成績は安定しています。共に侵襲度の高い手術ですが、高齢の患者さんにも積極的に手術を行って患者さんの質のよい生活を確保するよう努力しています。
 また、胃腸手術にも非常に力を入れています。胃癌、大腸癌ともに術後在院日数は12日と短期間です。内視鏡外科も積極的に行っており、完全腹腔鏡下胃切除(幽門側胃切除、胃全摘)を取り入れています。虫垂切除は全例腹腔鏡下で行っています。ソケイヘルニア手術はクーゲル法を中心に、合理的で患者さんの負担が少ない方法を取り入れています。
 当院は麻酔科の常勤医が5名おり、局所麻酔以外の手術の麻酔はすべて麻酔科医が担当していますので、外科医は手術に専念することができます。

 一方で、私たちは地域における外科医減少の問題に目を向けて、医療の質を保ちながらも外科医の生活の質を改善する取り組みをすすめています。チーム内でお互いに助け合って個々の負担を軽くし、限られた時間を有効に使うことで、忙しい科でありながら仕事のオン・オフをはっきりさせる努力をしています。このような取り組みは担当医が不在の時、患者さんに不利益を及ぼすと考えられるかもしれません。しかし患者さんの情報は毎日のカンファレンスを通じて常に共有していますので、そのような心配はありません。医師は適度の休養と勉強時間を得ることで仕事の能率を高め、知識を深めることができます。結果的に患者さんの安全が守られることにつながります。また、医師同士だけでなく他の職種とのコミュニケーションを大切にしています。そのため、相談や報告をしやすい環境づくりを心掛けています。

1.外科診療内容と外科診療内容と診療体制

 外科の病床定数は41床、全身麻酔手術件数が年間約550件です。2011年の全身麻酔手術件数は555件でした(乳腺・内分泌外科を含む)。このうち、臨時手術は110件でした。
 週に10件あまり、毎日全身麻酔の手術を行っています。心臓血管以外のあらゆる領域を手掛けており、胃、大腸、肝胆膵などの消化器外科から、ソケイヘルニアや軟部組織腫瘍などの一般外科、気胸や肺癌の手術を扱う呼吸器外科まで、広範な領域を一つの科でカバーしています。
 乳腺・内分泌外科は専門医の着任により2011年10月から独立しました。当科と協力しながら高度で安全な診療を行い、着実に実績をあげています。そのほか、心臓血管外科での大血管・末梢血管手術や救急医療にも積極的に参加しています。
 スタッフは外科学会指導医・専門医、消化器外科学会指導医・専門医、乳癌学会認定医、がん治療認定医機構がん治療認定医、消化器病学会指導医・専門医、肝胆膵外科学会高度技能指導医、大腸肛門病学会専門医など、多様な資格を有し、豊富な臨床経験をもとに診療しています。2011年から優秀な後期レジデント2名が加わり、マンパワーと活力がさらにアップしました。また、当院は初期研修病院として実績があり研修医に人気があるため、常に1〜2人の研修医が外科で研修を積んでいます。上級医の指導を受けながら、絶えず患者さんの訴えに耳を傾け、実りある研修を行っています。

2.当院外科の特徴 − イノベーション(先進的医療の導入)

 肝胆膵外科高度技能指導医が加わったことにより、秋田県内はもとより、東北地方でも10位以内に入る数の肝切除、膵切除を行っています。当院では専門医取得を目指す若い医師が、指導医のもと、高い難度の肝胆膵手術の執刀の機会を得ています。これによって若手医師は、一段階上の技術の習得や解剖の理解が進み、それらは胃癌、大腸癌などの手術に直ちに生かされると同時に、高いモチベーションを持って診療に臨む結果につながっています。
 内視鏡外科にも非常に力を注いでいます。虫垂切除は全例腹腔鏡下で行っています。また、単孔式腹腔鏡手術、完全腹腔鏡下胃切除・腸切除なども積極的に行っています。2011年には完全腹腔鏡下胃切除を11例施行し、そのうち6例は胃全摘術でした。手術時間は開腹手術+1時間程度で、良好な成績を上げています。
 日本人の死亡原因のトップは癌ですが、その半数は消化器癌によるものです。外科では病巣切除という治療の根幹的役割を担うのみでなく、抗癌剤治療や放射線療法を組み合わせた集学的治療を行うことで治療成績を上げています。特に抗癌剤治療では、全国規模の多施設ランダム化臨床比較試験に参加しデータを発信すると同時に、常に先進的な癌化学療法を導入することで患者に被益してきました。外科では外来化学療法室(10床)を利用して毎月のべ200名以上の癌化学療法を行っており、上級医からそのノウハウを学ぶことができます。
 また、病状が進行した癌患者には多職種からなる緩和ケアチームが診療にあたります。緩和ケアチームは他施設の医師、訪問看護ステーションと連携しながら在宅緩和ケアを積極的に行っています。さまざまな段階の癌患者と向き合うことで医師として重要な命題である「死」について自然に、しかしながら深く考えていくことになります。

3.外科研修医としての生活(臨床研修医の場合)

2年目の選択期間に外科を希望する研修医が多いので、常に1、2名の研修医と一緒に研修することになります。毎朝行われるカンファレンスに重点をおいていますので、患者の病状や治療方針決定のプロセスを筋道立てて学ぶことができます。
 手術件数は多く、肝胆膵手術などの大きな手術も多いので決して暇ではありませんが、研修医にとって過度の負担にならないようスケジュールを組むよう心掛けています。救急当直翌日の休みは病院全体で保証されています。外科を研修している間にも同様ですが、その他に土日に休日をとることをすすめています。

具体的な研修内容について記します。

1) 毎朝8時から約45分間の外科カンファレンスを行います。術前カンファレンスにより症例提示がなされ、手術術式の決定、問題点の抽出等が行われます。大画面に映し出された画像検査や経過表をもとに全員参加のディスカッションが行われ、問題を抱えている患者さんの治療方針の検討などがなされます。研修医は、自分の担当する患者についてプレゼンテーションを行い、外科治療学の考え方と効果的なプレゼンテーションの仕方を身に付けることができます。

2) 手術への参加:自分の担当する患者の手術は無論、それ以外の手術にも参加し、上級医、指導医の行う手術の流れや技術を体感するとともに基本的手技の会得を目指します。

3) 周術期の患者、がん化学療法を中心とした集学的治療を受けている患者およびICU入室中の重症患者、終末期の患者など、さまざまな外科入院患者を担当します。指導医、上級医やコメディカルからの助言や指導を受け、基礎的な考え方やすでに身に付いている知識の応用の仕方を学びます。

4) 院内の栄養サポートチーム(NST)や緩和ケアチームへの参加を通じて、栄養学の基礎や、より全人的な治療の考え方を学びます。

5) 研究会や学会での発表を積極的に行っています。研修医も研修期間中に発表の機会を与えられ、プレゼンテーションの基本や医学に対する探究心を伸ばすことを学びます。学会発表にとどまらず論文にすることを奨励しており、過去2年間に4名の研修医が論文の投稿を済ませています。

6) 当院は日本外科学会専門医と日本消化器外科学会の指定修練施設になっています。したがって、当院で初期〜後期研修を受けることにより、外科専門医の資格を確実に取得することができ、さらには、消化器外科専門医というサブスペシャルティ領域の専門医資格取得へと進むことができます。後期研修では執刀の機会を多く得られるよう配慮しています。(次項目の“レジデントとしての研修”を参照ください。)

 外科研修で最も学んで欲しいことはチーム医療の本質です。一人よりも二人、二人よりも三人、四人…。知識や経験だけでなく、医師がチームを組んで医療をすることで単純な足し算以上の力を発揮することができます。そのことを具現化しているのが外科医療です。私たちは名医ではなく、よいチーム医療を目指しています。そしてよいチームで学ぶ者は自然とレベルが上がっていきます。当院の研修では、このことを間違いなく体得できます。興味をもたれた方は是非気軽に病院見学にいらしてください。お待ちしています。

4.レジデント(後期研修医)としての研修

 当院は日本外科学会専門医と日本消化器外科学会の指定修練施設になっています。したがって、当院で後期研修を受けることにより外科専門医の資格を確実に取得することができ、さらには、消化器外科専門医というサブスペシャルティ領域の専門医資格取得へと進むことができます。そのほか、日本消化器病学会認定施設、日本救急医学会専門医指定施設、日本臨床腫瘍学会認定研修施設などの施設認定を受けていますので、当院で研修をしてこれらの専門医などの資格を取得することができます。
 後期研修(医学部卒業後3〜5年目が目安)では執刀の機会を多く得られるよう特段の配慮をしています。後期研修における年間の目標執刀症例を100例に設定しています。2010年4月から5年目医師と4年目医師が後期研修医として加わりましたが、9月までの6ヵ月間にそれぞれが経験した手術症例は109例ずつであり、そのうち執刀は57例と65例と目標数を上回っていました。ソケイヘルニアや急性虫垂炎の手術は当然のことですが、胃癌、大腸癌、胆嚢摘出などの定期手術のほとんどは指導医の下、後期研修医が積極的に行っています。しかし、合併症の発生は極力低く抑えられていますので、安心して診療に没頭できますし、患者さんも安心して治療を受けられます。
 レジデントは救急外来の当直を月2回程度行っています。当院外科では、救急外来翌日には手術に入らないことはもちろんのこと、原則として休養日としています。休日も当番医制としていますので、休日にデューティとなるのは月に3、4日程度です。平日の毎日、一人一人の患者の検討会を朝のカンファレンスで行っていますので、休日の診療において困ることはありません。合理的な方法で“できる外科医”になる方法を私たちは常に模索しており、実際に効果を上げています。

 最後になりましたが、外科研修で最も学んで欲しいことはチーム医療の本質です。一人よりも二人、二人よりも三人、四人…。知識や経験だけでなく、医師がチームを組んで医療をすることで単純な足し算以上の力を発揮することができます。そのことを具現化しているのが外科医療です。私たちは名医ではなく、よいチーム医療を目指しています。そしてよいチームで学ぶ者は自然とレベルが上がっていきます。当院の研修では、このことを間違いなく体得できます。興味をもたれた方は是非気軽に病院見学にいらしてください。お待ちしています。
 

2011年1月〜12月 手術症例数
全身麻酔手術 555件(乳腺・甲状腺手術を含む)
上記のうち臨時手術 110件
局所麻酔手術 143件
硬膜外麻酔手術など 21件
合計 719件

消化器手術(胃腸手術)
胃切除術 41件
腹腔鏡下胃切除 11件
胃部分切除 3件
胃空腸吻合術 6件
結腸切除 55件
直腸切除、直腸切断 21件
腹腔鏡下腸切除 11件
腸閉塞手術 15件
小腸切除術 9件
虫垂切除術 38件
痔核・痔瘻手術 25件

消化器手術(肝胆膵手術)
肝部分切除術 9件
肝葉切除・区域切除 17件
膵頭十二指腸切除術 25件
膵体尾部切除術 5件
腹腔鏡下胆嚢摘出術 49件
開腹胆嚢摘出術 6件
胆管空腸吻合術 4件

ソケイヘルニア手術   84件

胸部疾患手術
肺切除術(胸腔鏡下) 17件

末梢静脈手術(局所麻酔)
中心静脈ポート挿入術 74件
  

 

 

 

 

 

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