何事も基本が重要であります。採血や注射などの基本的手技をきちんと修得できない医師が、高度な技術を要する検査や処置、手術をマスターしようとしても土台無理と考えます。当院では、まず1年次の4月、5月にシミュレーターを用いた基本的手技に関する講習会を集中的に、かつ徹底的に行います。
日程 | 講習会 |
---|---|
4月3日および9日 | 感染管理(佐藤) |
4月11日 | 採血・注射の講習と実技(看護部と合同) |
4月17日 | 採血・注射の確認実習(看護師・長谷川・中川) |
4月22日 | 動脈血ガス分析(中川) |
4月24日 | 糸結び・皮膚縫合(外科:長谷川) |
5月10日 | 中心静脈穿刺(小林・中川) |
5月13日・14日 | 災害トリアージ・意識障害・縫合(円山・長谷川・臨床工学士・看護師) |
これらの講習会終了後に各自に「基本的手技に関するチェックシート」を配布します(図1)
【図1.基本的手技に関するチェックシート】
【図2.静脈注射・点滴のチェックシート記入例】
これは静脈採血、静脈注射、点滴、動脈血採血、中心静脈穿刺などの基本的手技の研修記録であり、また、同時に指導医や看護師による評価も記載した通信簿のようなものです。評価項目は、用具の準備から患者への説明、実際の手技にまでわたっており、その全てで合格(○)をもらってはじめて1例としてカウントします。当院では、期間を決めて具体的な到達目標を設定して、それをクリアすべく指導を行っています。
自分の研修経験を記録することを通して、それを客観的に評価することがとても重要だと我々は考えています。