高熱を出しているお子さんが、急にひきつけ(けいれん)を起こすと、まわりで見ている方はびっくりしてしまいます。そのとき、あわてないで対応できるように今回は熱性けいれんについてお話します。 1〜6歳ぐらいまでの子どもの7〜8%は、熱性けいれんを経験します。熱の出始めで体温が急上昇するときに起こりやすく、目がうつろになって意識を失い、手足をガクガクと震わせるのが特徴です。たいていは5分以内でおさまりますが、その場合にはけいれんが原因で後遺症などを起こすことはありません。 一方、脳炎・脳症・髄膜炎といった感染症からくる高熱、けいれんの場合は、生命に関わることがありますから、緊急の受診が必要です。 熱性けいれんとの違いは、けいれんを起こす前の状態です。朝からぐったりしていた、食事・ミルクを吐いていた、顔色が悪かった、うわごとを言っていたなどの兆候があった場合は要注意です。 高熱の割に元気で急にひきつけた、という場合は体質からの熱性けいれんの可能性が高いですが、インフルエンザがはやっている季節には、インフルエンザ脳症の場合もありますので、慎重な観察が必要となります。このほか6ヶ月未満のあかちゃんの発熱時のけいれんや持続時間の長いけいれん、短いけれど何回も起こるけいれんなどの場合も緊急に受診する必要があります。 最後に、けいれんを起こしているお子さんの対応について図で説明しましょう。あわてずに対応できる準備はできましたか? 市立秋田総合病院内科診療部長 小泉ひろみ |