お酒と健康 ~適切な飲酒量とは~

 複雑な人間関係やストレスの多い現代社会にあって、お酒は気分転換をはかるのにたいへん重宝な存在です。その一方で、アルコール依存に関連した深刻な問題も発生しています。年末年始は飲酒の機会が多くなりますが、お酒と長く付き合うために、今回は適切な飲酒量について考えてみましょう。

 飲酒量と死亡率の関係について調査したものによると、お酒を飲む人は飲まない人に比べて、一定の飲酒量までは死亡率が低く、それを過ぎると逆に上昇し、J型の曲線となることが報告されています。
 これは少量の場合、アルコールは血管を拡張させ、HDLコレステロールを増加させるため、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率を低下させるからです。一方、多量の飲酒はアルコール中毒や肝硬変、さらに様々な臓器の癌による死亡率を増加させます。このようにお酒は飲酒量によって薬にも毒にも変化します。

 では適量とはどのくらいでしょう?死亡率が最も低かった飲酒量は、男性では清酒に換算して1日0.5〜1合未満、女性の場合には0〜0.5合以下であり、2合前後から死亡率は上昇を示します。
 厚生労働省の提唱する「21世紀における国民健康づくり運動」では、節度ある適度な飲酒量を1日当たりアルコール20g(ビール中ビン1本か清酒1合)としています。なお、女性やアルコール代謝能の低い人、また65歳以上の高齢者の場合はもう少し減らしたほうがいいようです。

 最後にアルコール依存症のスクリーニング・テストを紹介します。

(1) 飲酒量を減らさなければならないと感じたことがある
(2) 他人が飲酒を非難するので気にさわったことがある
(3) 自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがある
(4) 神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すため迎え酒をしたことがある

 この4つの項目のうち2つ以上当てはまる人はアルコール依存症の疑いがあるとされています。さて、みなさまはどうでしょうか?

※HDLコレステロール
善玉コレステロールと呼ばれるもので、血管壁に沈着した余分なコレステロールを回収して肝臓にもどし、動脈硬化を防ぐ働きをします。

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